生成AIが作成した文章や画像を販売する場合、著作権法違反の可能性アリ??

 

 

AIに関する多岐にわたる課題について、内閣府や文化庁他関係省庁の実務者による「AI戦略チーム」というチームが編成され、4月24日から先月末までに4回の会合が開かれていますが、5月15日に開催された3回目の会合において、最近話題の「ChatGPT」をはじめとしたいわゆる生成AIの活用時における著作権侵害などについての議論がなされました。

 

現行の著作権法では、AIの開発・学習段階と生成・利用段階で著作権に対する考え方を分ける必要があり、開発・学習段階において著作権者の許諾なしに著作物をAIに学習させることは可能ですが、生成された文章や画像等を販売する際、既存の著作物との類似性(創作的表現が同一又は類似であること)や依拠性(既存の著作物をもとに創作したこと)が認められた場合には、著作権の侵害となり損害賠償請求や差止請求、刑事罰の対象となる可能性もあります。

 

最近生成AIが作成したアニメや絵画、まるで本物の人間のような人物が映った画像などをテレビやネット上でよく見かけます。ディープフェイクと呼ばれる技術もどんどん進歩していますよね。ほんとに一瞬すごいなあとは思うんですが、でもそれまで、というか、なぜかどこか空しさを感じてしまうんです。なんて言えばいいのか、村上龍の小説「歌うクジラ」に出てくる、「棒食」のような空しさ。。。「行列のできるラーメン屋の大将が熟練の技で作った一杯」じゃなくて、「行列のできるラーメン屋の大将が熟練の技で作った一杯を基にマイナス面を限りなく削ぎ落してプラス面を更に詰め込みまくったラーメン状のナニカ」を食わされているような。違うそうじゃないんだよ、という気持ちになります。

 

より良い暮らしを求めるために、その代わりに何を差し出しているのかを考えつつ、これからも生身の人間が作ったその温かさや不完全さが宿った作品を大切にしていきたいと思います。

 

産経新聞ホームページ 生成AIの著作権侵害を周知へ 適法と違法の境界 2023/5/15 21:26 → https://www.sankei.com/article/20230515-NQT3ZBMSZRMFPLQ56JRAOZRGHE/

 

内閣府ホームページ AI戦略チーム(関係省庁連携)(第3回) → https://www8.cao.go.jp/cstp/ai/ai_team/3kai/3kai.html

同ページ 資料 → AIと著作権の関係について(PDF:380KB)

 

 

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA