Q:建設業許可の更新の申請中に、従前の許可の期限が過ぎてしまった!許可が必要な工事はストップ??
A:申請期限よりも前に更新の申請が受け付けられていれば、ひとまず大丈夫です。
建設業法に基づく建設業の許可は有効期間が5年間となっているので、許可が必要な工事を継続して行っていくためには新規に許可取得後5年ごとに「更新」の申請を行わないといけません。
都道府県知事又は国土交通大臣発行の「許可通知書」には、許可番号、許可の有効期間、取得した許可の業種が記載してありますが、あわせて下部に「許可の更新申請を行う場合の書類提出期限(通常期間満了日の1カ月前)」が記載してあります。許可の更新申請を行う場合、許可通知書にも記載の通り原則期間満了日の1カ月前までに申請書類を提出しますが、この書類提出期限を過ぎてしまったとしても、許可の有効期間の満了日までは(期間満了日当日も含む)更新申請を受け付けてもらうことができます。
許可通知書(下部)サンプル。赤枠(当事務所注)内に書類提出期限が記載してあります。
ただし、上記のようなケースで書類提出期限以降に更新申請をしてしまうと、申請の審査中に許可の有効期間が過ぎてしまい、手元の許可通知書は有効期間切れで新しい許可通知書がまだ届いていない、という状態になってしまうでしょう。こういった場合、新しい許可通知書が手元に届くまでは許可が必要な工事を行うことができないのでしょうか・・・?
大丈夫ご安心ください。建設業法第3条第4項の規定により、受付がなされている更新申請に対し何らかの処分がなされるまでの間はひとまず従前の許可がその効力を有しています。
↓建設業法第3条抜粋(e-Gov法令検索より)
(建設業の許可)
第三条 建設業を営もうとする者は、次に掲げる区分により、この章で定めるところにより、二以上の都道府県の区域内に営業所(本店又は支店若しくは政令で定めるこれに準ずるものをいう。以下同じ。)を設けて営業をしようとする場合にあつては国土交通大臣の、一の都道府県の区域内にのみ営業所を設けて営業をしようとする場合にあつては当該営業所の所在地を管轄する都道府県知事の許可を受けなければならない。ただし、政令で定める軽微な建設工事のみを請け負うことを営業とする者は、この限りでない。
一 建設業を営もうとする者であつて、次号に掲げる者以外のもの
二 建設業を営もうとする者であつて、その営業にあたつて、その者が発注者から直接請け負う一件の建設工事につき、その工事の全部又は一部を、下請代金の額(その工事に係る下請契約が二以上あるときは、下請代金の額の総額)が政令で定める金額以上となる下請契約を締結して施工しようとするもの
2 前項の許可は、別表第一の上欄に掲げる建設工事の種類ごとに、それぞれ同表の下欄に掲げる建設業に分けて与えるものとする。
3 第一項の許可は、五年ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によつて、その効力を失う。
4 前項の更新の申請があつた場合において、同項の期間(以下「許可の有効期間」という。)の満了の日までにその申請に対する処分がされないときは、従前の許可は、許可の有効期間の満了後もその処分がされるまでの間は、なおその効力を有する。
5 前項の場合において、許可の更新がされたときは、その許可の有効期間は、従前の許可の有効期間の満了の日の翌日から起算するものとする。
6 第一項第一号に掲げる者に係る同項の許可(第三項の許可の更新を含む。以下「一般建設業の許可」という。)を受けた者が、当該許可に係る建設業について、第一項第二号に掲げる者に係る同項の許可(第三項の許可の更新を含む。以下「特定建設業の許可」という。)を受けたときは、その者に対する当該建設業に係る一般建設業の許可は、その効力を失う。
実務上は、こういったケースになってしまうことのないよう、更新申請は許可通知書記載の書類提出期限まで余裕を持って行うようにしましょう。