NECが建設業許可を自主廃業。【建設業法施行令第3条の「使用人」とは?】
あのNEC(日本電気株式会社)が、建設業法施行令第3条に規定されている「使用人」に該当する社員の1人が建設業法第8条第1項第8号に規定する欠格要件に該当していたため、建設業の許可を自主返上(建設業法上の「廃業」)をしていたということがニュースになっていました。
ここでいう建設業法施行令第3条に規定されている「使用人」とは、建設工事の請負契約の締結やその契約の履行にあたって一定の権限を有する者とされており、同社で言えば支社(支店)長や営業所長にあたる方ということになるでしょう。当該社員は2020年2月に罰金の刑事罰を受けていたということです。
同社は今後、再発防止策を策定した上で速やかに許可の再申請を行うらしいですが、国土交通大臣許可なので、申請から許可がおりるまでの期間(標準処理期間)は約3ヶ月かかります。無論、新たに許可がおりるまでは500万円以上の工事を行うことができなくなります(1件500万円以下の「軽微な工事」であれば許可がなくても行うことができます)。これまで工事の売上高は年間1,000億円くらいあったらしいですが、この約3ヶ月は同社にとって非常に大きな損害になることは間違いないでしょう・・・
建設業の許可業者は、その規模の大小に関わらず、「経営業務の管理責任者」、「専任技術者」、「建設業法施行令第3条に規定されている使用人」等を選任する際には、その方が欠格要件に該当してしまっていないかどうかしっかりとチェックする体制が必要だと感じるニュースでした。
朝日新聞デジタル(ヤフーニュース)9/29(木) 18:30配信 NEC、建設業許可を自主返上 社員が過去に罰金刑、欠格要件に該当 → https://news.yahoo.co.jp/articles/648bdf0ce4a4b9c4769f31396feb6b1addc7b946
(追記:既にリンク切れとなってしまったようです(10/14))
NEC(日本電気株式会社)ホームページ 建設業許可の自主廃業および再申請について(2022年9月29日) → https://jpn.nec.com/press/202209/20220929_02.html
11月18日追記:一昨日16日に許可を再取得したとホームページにて公表されていました。
↓こちらもどうぞ 11月18日ブログ
建設業の資格者として、一旦廃業し、何も罰を受けず、再度申請し資格を取得すれば今迄通りの営業活動が出来るのでしょうか?
この事例であれば、廃業・再申請で何でもできますね。
筏谷様
コメントありがとうございます。他の多くの行政手続きと同じように、建設業法に基づく建設業許可の手続きについても「書面主義」という考え方が取られており、役所としては提出された書類を基に申請の審査を行います。
一度廃業した後の再申請についても、建設業法第7条(許可の基準についての規定)及び同法第8条(欠格要件等についての規定)を「書類上」クリアしていれば、原則許可を再取得し、それまで通りの営業活動を行うことは可能です。