御社のそのサービス、行政書士法違反では・・・??【令和8年1月1日施行 改正行政書士法第19条 業務の制限】

 

 

昨年の第217回通常国会での成立前後から何度かブログにて取り上げてきましたが、今月1日に施行された改正行政書士法(以下「新法」とします。あわせて改正前を「旧法」とします。)の業務の制限に関することについて、今回あらためて書いてみようと思います。

 

まず、新法の第19条第1項の条文は以下の通り。(以下条文は全てe‐Gov法令検索行政書士法より抜粋。太字や下線、赤字等は当事務所注)

(業務の制限)
第十九条 行政書士又は行政書士法人でない者は、他人の依頼を受けいかなる名目によるかを問わず報酬を得て、業として第一条の三に規定する業務を行うことができない。ただし、他の法律に別段の定めがある場合及び定型的かつ容易に行えるものとして総務省令で定める手続について、当該手続に関し相当の経験又は能力を有する者として総務省令で定める者が電磁的記録を作成する場合は、この限りでない。
2 省略

 

太字・赤字の部分をできる限りわかりやすく言えば、「行政書士・行政書士法人以外の個人・法人は、不特定多数の相手からの依頼を受けて、どんな名目でもお金や物品等の何らかの対価をもらって、反復継続的に行政書士業務を行うことができない」ということが書いてあります。

 

新法19条第1項の条文の中に「第一条の三に規定する業務」と書いてありますが、この新法第1条の3第1項に行政書士のメイン業務についての規定があります。

(業務)
第一条の三 行政書士は、他人の依頼を受け報酬を得て、官公署に提出する書類(その作成に代えて電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)を作成する場合における当該電磁的記録を含む。以下この条及び次条において同じ。)その他権利義務又は事実証明に関する書類(実地調査に基づく図面類を含む。)を作成することを業とする。
2 省略

 

行政書士のメイン業務は、他人の依頼を受け報酬(お金や物品などの対価)を得て、「官公署に提出する書類」「権利義務又は事実証明に関する書類」を作成することです。官公署に提出する書類、権利義務又は事実証明に関する書類は、主に下記の書類を挙げることができます。これらの「書類」には、もちろん紙の「書類」に限らず「電磁的記録(電子データ)」も含みます。

 

官公署に提出する書類 → 他の士業の独占業務として規定されている機関を除いた全ての行政機関へ提出する申請書、届出書、申出書、申立書、請求書、弁明書等と、これらに添付して提出するすべての書類・電子データ

権利義務又は事実証明に関する書類 → 各種契約書や合意書、覚書、協議書、約款、定款、規則、議事録、決定書、計画書、報告書、証明書、確認書、図面・・・などなど の書類・電子データ

 

新法第1条の3第1項の規定を踏まえ、あらためて新法第19条第1項の規定をできる限りわかりやすく言い換えてみると、「行政書士・行政書士法人以外の個人・法人は、依頼者からどんな名目でもお金や物品等の何らかの対価をもらい、事業として、行政書士業務を行うことができない」というような感じになるでしょうか。

 

実は、この業務の制限に関する規定は、今回の改正で前よりも厳しくなったというわけではありません。旧法の第19条第1項には上掲の赤字の「他人の依頼を受けいかなる名目によるかを問わず報酬を得て」という部分が無かったため、行政書士・行政書士法人以外の個人・法人が、行政書士業務(各種書類作成や行政機関への提出代行)としての報酬ではなく、「本人申請支援のコンサル費用」や「会費」、「手数料」など別の名目で依頼者から報酬を得て、実際には行政書士業務を行ってしまえるという状況下にありました。行政書士登録をしていない他の士業が顧問関係にある依頼者に請求する月々の顧問料に上乗せする形で対価を得て行政書士業務を行っている、ということも聞いたことがあります。。

 

↓旧法第19条の条文

(業務の制限)
第十九条 行政書士又は行政書士法人でない者は、業として第一条の二に規定する業務を行うことができない。ただし、他の法律に別段の定めがある場合及び定型的かつ容易に行えるものとして総務省令で定める手続について、当該手続に関し相当の経験又は能力を有する者として総務省令で定める者が電磁的記録を作成する場合は、この限りでない。
2 総務大臣は、前項に規定する総務省令を定めるときは、あらかじめ、当該手続に係る法令を所管する国務大臣の意見を聴くものとする。

 

 

ここまで大変大変長い前置きとなりましたが、これまで当然に「そのサービス」を行ってきた事業者の皆さま、御社の「そのサービス」、行政書士法第19条に抵触するサービスではありませんか?

 

例えば、

①自動車販売会社のスタッフが、自社が販売した自動車に関する車庫証明申請書や自動車登録申請書の作成と管轄の警察署・運輸支局等への提出を代行した

②不動産会社のスタッフが、自社が仲介に関わった農地に関する農地転用許可申請書・届出書の作成と管轄の農業委員会への提出を代行した

③補助金コンサル会社のスタッフが、自社がコンサルティングを行った事業者の事業に関する各種補助金申請書の作成と管轄の行政機関への提出を代行した

 

上記①~③は、いずれも新法第19条の規定に抵触する行為であると考えられます。「まわりの同業者もみんな同じごとしようっちゃけん、よかろーもんめんどくさい」といった姿勢では、旧法の状況下ではグレーゾーンだったかもしれません。が、新法施行後の現在そして今後は、各行政機関もその申請窓口において「非行政書士の排除」に向けた取り組みをこれまで以上に行っていくでしょうし、目の前のお客様が身分を隠した行政書士もしくは行政書士法の規定を知り尽くしたライバル会社のスパイかも、しれませんよ・・・

 

もしかしたら自社で行政書士法に抵触するサービスを行っているかもしれない、という事業者の皆さま、当事務所にてご相談をお受けいたします。初回相談は無料にて承りますので、どうぞお気兼ねなくお問い合わせください。

 

 

 

 

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