会社社長の「登記されていないことの証明書」の取得のために法務局へ。ん?登記されていない・・・??
建設業許可申請の添付書類である「登記されていないことの証明書」の取得のため、今日の午後イチで福岡法務局へ行きました。今回申請を行うのは株式会社。
え?株式会社なら、法人の代表として社長(代表取締役)はもちろん、それ以外の役員(取締役)全員も「登記されている」はずなのに、「登記されていないことの証明書」ってどういうこと?と思われた方もいらっしゃるのかもしれません。
実はこの「登記されていないことの証明書」、法人の役員として登記されていない、というわけではなく、対象者が民法に定める制限行為能力者(成年被後見人、被保佐人、被補助人等)として登記されていないということを証明するための書面です。
なぜこの書面が建設業許可申請の添付書類として必要なのか。建設業法第8条及び同法施行規則第8条の2に以下のように定めがあります(e-Gov法令検索より)。
建設業法(昭和二十四年法律第百号)
第八条 国土交通大臣又は都道府県知事は、許可を受けようとする者が次の各号のいずれか(許可の更新を受けようとする者にあつては、第一号又は第七号から第十四号までのいずれか)に該当するとき、又は許可申請書若しくはその添付書類中に重要な事項について虚偽の記載があり、若しくは重要な事実の記載が欠けているときは、許可をしてはならない。
一~九 省略
十 心身の故障により建設業を適正に営むことができない者として国土交通省令で定めるもの
十一~十四 省略
建設業法施行規則(昭和二十四年建設省令第十四号
(心身の故障により建設業を適正に営むことができない者)
第八条の二 法第八条第十号の国土交通省令で定める者は、精神の機能の障害により建設業を適正に営むに当たつて必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができない者とする。
上記に該当する場合には許可を受けることができない、いわゆる欠格要件(欠格事由)というやつですね。登記されていないことの証明書は申請者がこの建設業法第8条及び同法施行規則第8条の2に該当していないということを証明するための書面の1つ(もう一つに市町村長発行の身分証明書という書面があります。)です。
申請窓口は東京法務局後見登録課又は全国の法務局、地方法務局の本局(支局や出張所には窓口がありません)の戸籍課です。福岡法務局(本局)の場合は、1階の証明書発行窓口と供託課のあいだの道の奥にあります。
取得した資格の登録をして有資格者として事業を行う場合や、許認可申請を行う場合くらいにしか必要のない、一般の方が普段の生活で目にすることはほぼないと言っていい書面です。
以上、行政書士の地味~な仕事の1つでした(^^)
国土交通省ホームページ 建設業の許可 許可の要件 → https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/1_6_bt_000082.html
東京法務局ホームページ 登記されていないことの証明申請について → https://houmukyoku.moj.go.jp/tokyo/static/i_no_02.html