行方不明の相続人についての失踪宣告。
一昨年の秋に許認可の更新手続きのご依頼をいただいて以降継続して許認可申請手続きのサポートを行っている法人の社長様から、「去年秋に申立てをしていた先代社長の相続人についての失踪宣告の審判が確定し市役所に失踪の届出を行ったので、今後2、3週間で戸籍に反映されると思う」と連絡がありました。
民法第30条第1項の規定により、不在者の生死が7年間明らかでないときは家庭裁判所に失踪宣告の申立てを行うことができ、不在者について失踪宣告がなされると、その者の生死が不明になってから7年間が満了したときに死亡したものとみなされます。今回の「不在者」は先代社長の兄弟姉妹で、約50年間行方不明となっており、戸籍・戸籍の附票を取得してみてもその足取りが全くつかめない状態でした。
e-Gov法令検索より↓(民法)
(失踪の宣告)
第三十条 不在者の生死が七年間明らかでないときは、家庭裁判所は、利害関係人の請求により、失踪そうの宣告をすることができる。
2 戦地に臨んだ者、沈没した船舶の中に在った者その他死亡の原因となるべき危難に遭遇した者の生死が、それぞれ、戦争が止やんだ後、船舶が沈没した後又はその他の危難が去った後一年間明らかでないときも、前項と同様とする。
(失踪の宣告の効力)
第三十一条 前条第一項の規定により失踪の宣告を受けた者は同項の期間が満了した時に、同条第二項の規定により失踪の宣告を受けた者はその危難が去った時に、死亡したものとみなす。
先代社長の相続人の戸籍に失踪についての情報が反映された後は速やかに許認可の変更届を行い、一昨年の秋に先代社長からご依頼をいただいた許認可の更新手続きはようやく一括りとなりそうです。
許認可申請の依頼を受けて準備を進める中で急遽相続が発生し、かつ相続人に不在者がいて失踪宣告の申立てが必要、とめったに遭遇することのないケースなので今回とても勉強になりました。同じようなケースが今後もし発生することがあっても、スムーズに必要な手続きを進めることができそうです。
裁判所ホームページ 失踪宣告 → https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_kazi/kazi_06_06/index.html