国家と対峙することになってしまった元配送業の青年の運命は・・・?【私の読書記録Vol.18】
伊坂幸太郎の小説が久しぶりに読みたくなりました。伊坂幸太郎は、書店員時代に最初にいた店舗の文庫担当のパートさんから教えてもらい、初期の作品から「モダンタイムス」まではほぼ全て読みました。私が読んだ伊坂幸太郎の作品の中では、今回ご紹介するゴールデンスランバーが1番好きです(その次にモダンタイムスです。)。堺雅人さん主演で映画化もされました。映画も観ましたが、なんというか伊坂作品特有の「小説だからこそ面白い」部分を違和感なく映像化できた面白い作品でした。
タイトルの「ゴールデンスランバー」は、ビートルズの「アビイ・ロード」というアルバムに入っている曲名からそのまま取られたもので、英語で「黄金の眠り(まどろみ)」という意味ですが、黄金のまどろみとは程遠いハラハラドキドキの作品になっています。このゴールデンスランバーにおいても、伊坂作品の特徴と言ってもいい主人公と活き活きとした登場人物との小気味よい会話と作品前半で散りばめられた伏線の後半の回収の仕方のセンスの良さが全開です。
首相公選制の日本で、初当選した金田首相の地元仙台への凱旋パレード中に爆弾テロが発生し、首相が暗殺され、たまたま現場近くにいた主人公の青柳雅春は首相暗殺犯に仕立て上げられてしまいます。国家という巨大な権力と対峙することになってしまった元配送ドライバーの青柳の生きるために逃げ続ける2日間を、ぜひぜひこの機会に体験してみてください。。。
ゴールデンスランバー (新潮文庫) → Amazon商品ページ