確定申告書が無い場合は・・・(今日の相談事例から)【持続化給付金関連Vol.15】
持続化給付金の申請について本日お受けした相談が、特殊な事例であり、きっと同じように困っている事業者の方がいるのではないかと感じたので、以下概要をご紹介いたします。(ブログに取り上げることについては相談者様了承済み)
個人で建設業を営まれている方からのご相談でした。前の勤め先であった親方の下から独立して事業を始められて20年くらい経っている、とのことでしたが、事業の開始の際に開業届を提出されていませんでした。また、確定申告の有無をお尋ねしたところ、「自分はこれまでずっとこれしかやっていない」と言って、手元に用意されていたのがエンピツ書きの「収支内訳書(一般用)の控え」でした。
収支内訳書とは、通常確定申告を「白色」で行う際に確定申告書Bと一緒に提出するものです。お話を聞いていると、今年も3月ごろに役所に行って、「これの提出用の方を間違いなく提出してきた」とのことでした。開業届を提出されていないし、きっと市県民税の申告のことだろうと思いました。
持続化給付金の申請にあたり、個人事業主の方の場合、申告の青色・白色を問わず2019年の収入を証明する書類として「確定申告書第一表の控え(税務署の収受印のあるもの)」が基本的に必要となります。ですが、特例として、確定申告の義務がない場合(詳細はこちら→国税庁ホームページ「確定申告が必要な方」)やその他相当の事由により2019年の事業収入に関する証拠書類を提出できない場合は、2019年分の市町村民税・特別区民税・都道府県民税の申告書類の控えを代替的に使用することができます。
この点相談者様にお尋ねしたところ、やはりお持ちではないようでした。納税証明書の取得を考えましたが、非課税の枠内であれば取得できたところで証拠力は弱いだろうなと思い、頼みの綱は「今年の3月ごろに役所に出してきた収支内訳書」だと考え、相談者様に「役所に出向いて今年の3月ごろに提出した収支内訳書の写しがもらえないか頼んでみてください」とご提案し面談を終えました。
きっとこのような事例は日本全国どこかで発生しているはずだから、何らかの対応策は取られているはずだと考え、事務所に戻り調べていると、相談者様から「近日中に税務署へ行き、収支内訳書を元に確定申告書を作成し、これに税務署の印鑑をもらえることになった」と連絡がありました。持続化給付金の申請に向けて、いい流れになったのではないかと思います。進捗は随時連絡を頂けるようになっています。持続化給付金が無事に給付されるよう、今後もサポートを続けていこうと思いました。
ちなみに、5月19日の衆議院財務金融委員会において、日本共産党の清水忠史議員からの質問に対し、中小企業庁の奈須野太事業環境部長が「収入の欄が未記入の確定申告書が提出された場合、代替の資料として収支内訳書を使うこともあり得る」といった旨の答弁をしています。また開業届が未提出の事業者への対応としても奈須野部長は「開業日や所在地、代表者、業種などの記載のある書類でも申請可能としている」といった旨の発言もしています。こういったところは、不正受給には十分に注意しながらもできる限りの柔軟な措置が取られてしかるべきだと思います。
自分は必要書類が揃えられないから申請できないと思っている事業者の方も、もしかしたら何らかの代替資料で申請をすることができるかもしれません。
持続化給付金についてお困りの事業者の皆様、どうぞお気兼ねなく当事務所へお問い合わせください。
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